華麗なる転身?トップスタイリストからいちご農家へ。小林広和さんの厚真町での泥くさい挑戦。

2022年3月7日

厚真町には多くの挑戦者が集まり始めています。3年前、そんな厚真町に美容サロンの最先端、競争の激しい「東京・青山」でトップスタイリストとして美容業界の経験を積んできた小林広和さんが、新たな挑戦の場を求めて移住してきました。地域おこし協力隊・農業支援員として真摯に農業と向き合い、活動してきた時間を振り返ります。

厚真町は今年もローカルベンチャースクール2024を開催します。
エントリーをご希望の方はこちらをクリックしてください
※2024年度の申し込みは締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。
2025年度に向けたお問い合わせは随時受付中です。お気軽にお問い合わせください。

「挑戦者として、厚真町での3年間」

―厚真町に来る前はどのような仕事をしていたのですか?
     東京の青山で美容師として14年働いていました。トップスタイリストとして沢山のお客さんから指名をいただく、忙しい日々を過ごしていました。

―東京・青山のトップサロンで着実にキャリアと実績を積み上げていた中で農家へ転身しようと思ったきっかけ(動機)はどのようなことでしょうか?
動機を探っていくと自分の中には色々ありますね。新しいことへチャレンジしたい気持ちや、このままずっと美容師を続けていくことへの疑問とか。美容を通して、衣食住などの生活に関わる水や食べ物に対する興味が湧いてきて、体に優しい野菜を作ってみたいと思うようになりました。2011年の東日本大震災をきっかけに農業への転身を考えるようになり、決断するまで6~7年考え続けていました。美容業界では、ある程度の頂点を経験できたことで次のステップとなるような新たな挑戦をしてみたいという思いが強くなっていきました。

2019年1月、震災後の厚真町で開催されたローカルベンチャースクールに参加したときの小林さん。農家としての目標を語った。

―前職の美容師と農家は一見、真逆の世界のようですが、共通点はありますか?
     共通点しかないと思います。どちらも技術職であり、専門的な技術と知識があるからこそ成り立つ職業です。技術や知識を教えてくれる師匠や先輩がいて、最初は師匠や先輩の真似をしながら習得していく点も共通していると言えます。直接お客さんに対して接客するかしないかの違いはあると思いますが。今後、生産したものをお客さんへいろいろな手法で届けていくことも間接的な接客ではあるので共通点は多いと思います。

―農業に挑戦する場所としてなぜ厚真町を選んだのですか?
     農家に転身しようと考え始めたころ、東京農業フェアに参加していくつかの町の話を聞きました。そこで厚真町のことを知り、詳しく調べることにしました。厚真町役場の担当者の方が、地域おこし協力隊・農業支援員のことや経済的な支援制度のことを詳しく話してくれました。移住や就農までのサポートが充実していると感じましたし、厚真町では若い人がたくさん挑戦していることも知り、自分も挑戦してみようと思い厚真町を選びました。


―地域おこし協力隊農業支援員として、まず1年目はどのような活動をしましたか?
     1年目は研修農場で先輩支援員の方と一緒に農業の基礎となる基本的な作業や農家になるために必要な知識を学ぶことが中心でした。研修場で栽培している作物の収穫なども行いました。

―同様に2年目はどのような活動をしましたか?
     1年目の早い段階で厚真町にはいちごだけを栽培している農家が少ないことを知りいちごを栽培する事を決めました。指導農家であるいちご農家に配属になり研修を受けました。
学校では学べない「農家とは何か?」を教えてもらいました。いちごを栽培するための土の作り方、土を作る時期、いちごを植える時期、いちごを収穫する時期など1年の流れを一緒に体験しながら学びました。

厚真町で小林さんが収穫したいちご

―いちご栽培の面白さ・難しさはどのようなところでしょうか?
     難しさは年に一回しか作れない、植え替えが出来ない、失敗に気付いても修正できないことなど難しいことがたくさんあり過ぎるところです。面白さは難しくてわからないことが多いことが面白いところです。まだ作ったものを提供できていないので「これ」とは言えませんが。今後、出荷・販売して食べてくれた人の反応がすごく楽しみです。美容師時代のお客様など、僕の作ったいちごを楽しみに待ってくれている人がたくさんいるので期待を裏切れないプレッシャーはありますがワクワクしています。

―移住してから3年間の思い出はどのようなことでしょうか?
3年目に研修の場で管理しているいちごを収穫した時に美味しいと思えるいちごが出来たときは嬉しかったです。厚真町に来てからの一番の思い出は「田舎まつり」に参加したことです。「田舎まつり」ではビールを飲みながら火起こしをして、色々な人と出会い、話をすることが出来てとても楽しかったです。うん、「田舎祭り」が一番楽しかったです。

―今後の目標を教えてください。
     生産したいちごをたくさんの人に食べていただき、厚真町のいちごのブランドを作り上げていくことです。

―これから就農を目指し     厚真町へ来る人たちへメッセージをお願いします。
     夢と目標を持ってブレずにやり切ってほしい。厚真町の人はいい人が多いので安心して来てほしい。ここまでいい人たちに助けられてきました。厚真町にはいい人に出会える空間があります。そして、いちごで新規就農する人が増えてくれるとなお嬉しいです。

―厚真町の人たちにもお願いします。
あつまいちごを有名にするために頑張っておいしいいちごを作ります。たくさん食べて応援してください!
元美容師の新しい挑戦が始まりました。夢や目標に向かってブレずに突き進んでいこうとする小林さんの真っ直ぐな眼差しと生き生きとした笑顔が印象的でした。

いちごを目の前にポーズをとるいちご農家の看板娘たち。

厚真町では、地域おこし協力隊・農業支援員を随時募集中です。本気で農業を目指すなら、まずはお話を聞いてみませんか?募集概要や応募手続きの詳細はこちらをご確認ください。

ローカルベンチャースクール2022 チャレンジをご希望の方はこちらをクリックしてください

厚真町農業担い手育成センター

http://www.town.atsuma.lg.jp/ninaite/



#ATSUMA