いつでもおいでねあつまプロジェクト 平成29年度の活動レポート
2019年3月1日
※本記事は平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の前にまとめられたもので、一部活動内容およびスケジュールに変更があります。震災後の取り組みについては、改めてご報告する予定です。
「いつでもおいでねあつまプロジェクト」は、平成29年度(1~3月)において寄附者の皆さまより合計211,000円の寄附金をお寄せいただきました。たくさんのご支援をありがとうございます! この寄附金を今後どのように活用させていただくのか、プロジェクトリーダーの大坪さんにお話を伺いました。
入植者のうち北陸出身者がかなりの割合を占めると言われる厚真町には、移り住んで来られた方々が建てた北陸地方の建築様式を残す複数の家屋が現存しています。しかし100年以上前に建てられた木造の家ですから、きちんとメンテナンスをしなければいずれは朽ち果ててしまいかねません。
開拓時代の厚真の歴史を後世に伝えるため、町では数年前から古民家の移築再生事業に取り組んでいます。
1棟目の旧畑島邸は、こちらの記事でもお伝えした人気のパン屋「此方」さんに生まれ変わりました。そして2棟目となる旧山口邸は、今年の8月に移築工事がスタート。場所は、町の中心部にほど近い田園住宅地「フォーラムビレッジ」。ちょうど1棟目のすぐ裏手です。
皆さまからいただいた寄付金は、移築再生のための費用として大切に使わせていただきます。
厚真町では今後、この旧山口邸を改築した民宿&カフェレストランの施設運営者を募集する予定です。古民家という歴史ある建物をどのように活用していくかは、選考会で選ばれた運営者のプラン次第。
「建物が立ち上がってくるのは9月頃からなので公募期間を長めにとっています。設計内容は民宿&カフェレストランですが、古民家の大きな特徴である梁や鴨居がどのようになっているかをきちんと知ってほしいので、古民家構造見学会も実施する予定です。平面図だけだと想像しにくい部分もたくさんあると思います。だからこそ実際に建物の骨格部分を見た上でゆっくりプランを検討してもらいたくて。活用イメージを膨らませてから応募いただけたらうれしいです」と大坪さんは語ります。
他にも、今回の移築再生事業では一般の方を対象にしたワークショップの開催を検討しているのだとか。いくら立派な古民家でも、立ち上がっていく様子をただ眺めているだけではきっと他人事に感じてしまいます。けれども、作業に少しでも関わることができれば、旧山口邸はより多くの人たちの愛着が宿る場所へと育っていくことでしょう。10年後、20年後でも「この壁は僕が塗ったんだ」、「土間のここは私が土を引いたの」と思い出してもらえたら素敵ですね。
特殊な技術を持っていない私たちでも、壁に漆喰を塗ったり土間に土を引いたりといった体験ができるかもしれません。
旧山口邸の移築再生工事が完了するのは、今年の12月中頃。
選ばれるプランにもよりますが、町としては来年の春頃から活用を開始してもらいたいと考えています。開拓民によって100年以上前に建てられた古民家は、いわば厚真町の歴史そのもの。そこに新しい事業が掛け合わさることでどのような場所へと生まれ変わるのか、今からとても楽しみです。
このプロジェクト名は「いつでもおいでねあつま」。
その名のとおり厚真町が皆さんにとって心のふるさとのような存在でありつづけるために、これからも引き続き応援よろしくお願いします!