【共に夢を叶える!】厚真町の“日本一”のハスカップを使ってスイーツをつくりませんか?

2021年9月7日

厚真町には「日本一」があります。

不老長寿のスーパーフードといわれる果実、ハスカップ。その作付面積で厚真町は日本一を誇ります。

厚真町が初めて日本一になったのは2013年ですが、それに大きく貢献したのが自らもハスカップ生産者である山口善紀さんでした。

「あつまみらい」「ゆうしげ」という二つの優良品種を世に送り出し、町内生産者に苗木を提供。生産者の仲間を増やすかたわら、ハスカップのクレープやスムージーを開発して販売するなど、ブランド構築にも力を注いできました。

2018年9月の北海道胆振東部地震では自身の畑も一部土砂に飲み込まれ、500本ものハスカップを失ってしまいました。しかし、それに屈することなく、「震度7のまち」で終わらせないために全国の物産展へ精力的に出店し、ハスカップと厚真町のPRを続けています。

その山口さんがいま、新たな挑戦に取り組もうとしています。

それは…、日本一のハスカップを使った名物スイーツをつくること!

ハスカップでゼロからイチを

―さっそくですが、新しいプロジェクトについて教えてください。

山口:震災後、全国のさまざまな物産展に出店してハスカップクレープやスムージー、ソフトクリームを販売し、ハスカップの魅力をお伝えしてきました。おかげさまでたくさんの方から「ハスカップっておいしいね」と声をかけていただきましたが、「持ち帰れるものはないの?」というリクエストも多く聞かれました。

同時に町民からも、「地元のお土産として持って行けるものはないかな?」と問合せをいただくようになりました。厚真町にはお菓子の専門店がないからです。

そうしたことから、現在の加工場の設備でできそうな商品は何かを考え、レモンケーキのようなハスカップ味の焼き菓子を作ってみようと思い立ちました。レモンケーキの型を購入して試作してみたんですが、できたケーキはパサパサで、お店に並べられるようなレベルじゃない。これはたいへんなことを始めてしまったな、と後悔しかけたんです。

クレープにしても、スムージーにしても、お菓子づくりに関しては素人同然の僕と妻が、料理本で調べたり、いろいろな方に食べてもらい、納得のいくまで試作を繰り返して商品化してきました。ところが、今回ばかりは歯が立たない。それで考えを改めました。

ハスカップに関する知識と生産技術だったら誰にも負けない。求められれば甘いものも、すっぱいものも、的確な材料を用意できます。でも、おいしいハスカップのスイーツを製造する知識や技術を僕たちは持ち合わせてはいません。

であるなら、スイーツづくりの知識と技術を持った方にまかせてみてはどうか?ハスカップでゼロからイチを生み出してもらう。町民が「地元のお菓子」として自慢したくなるスイーツを、全国のたくさんの方にハスカップの魅力を届けられるようなスイーツを、一緒につくってくれる人にお願いしてみる。これまですべてを自分たちでやってきた僕にとってこれは大きな決断でした。

おふくろが僕を奮い立たせてくれた

―これまで自力でチャレンジを続けてきた山口さんにとっては、パートナーを募ること自体が新たなチャレンジになるわけですね。

少し時計の針を戻して、山口さんご自身のチャレンジについても聞かせてください。個人農家でありながらハスカップの品種登録を成し遂げたり、苗木を提供して作付面積日本一の産地形成に貢献したり。一つひとつ乗り越えてきた背景にはいろいろな苦労もあったんじゃないかと思います。

山口:そうですね。たくさんの壁があったし、みんながみんな、僕のチャレンジを理解してくれたわけではありませんでした。中でも僕の心を一番へし折ってくれたのは、間違いなくおふくろでしょうね。

―お母さんが…、ですか?

山口:はい。うちはもともと米農家で、亡くなった親父が米を、おふくろがハスカップを育てていました。おふくろは野生のハスカップから20年以上かけて甘い実のなる樹だけを選抜して育て(詳細はこちらhttps://atsuma-note.jp/yamaguchi/)、ついには農協から贈答用の指名が入るほどになりました。

一方で僕は王子製紙の研究所で10年間働いたあと、脱サラして2005年に実家の農業を継ぎました。

「日本一の製紙会社を辞めるからには日本一のハスカップ農家になろう。そのためにまず厚真町を日本一のハスカップ産地にしよう」、就農にあたってそう決意し、米をやめてハスカップ一本に絞ることにしました。そのとき僕は34歳でしたが、母からは「40歳までに軌道に載せられなかったら農業を辞めなさい」という条件が課されました。

絶対に失敗できない状況でした。だけど、おふくろは手取り足取り教えてくれたわけではありません。

いざ栽培が始まっておふくろに土づくりの相談をしたら、「そんなの知るか!おまえの好きにすれ」と突き放されました。剪定に自信がないから見てほしいと頼めば、「知りたけりゃ私がやっているのを勝手に見たらいい」。

もう、全部こんな調子です。まるで子どもを崖から突き落とすライオンでしたね。それで、独学で肥料計算をしたり、おふくろの剪定を観察したりして、自分なりにノウハウを積み上げていきました。

「あつまみらい」「ゆうしげ」を品種登録したあと、苗木を買ってくれた町内の農家さんたちには増殖を認めて、どんどん増やしてもらいました。

品種をつくって遺伝子の権利を持っている人は増殖を許可しないのが普通です。だから周囲は「バカだ」と僕を笑いましたし、おふくろにさえ「そんなことしたら、おまえなんてすぐに抜かれる」とあきれられました。

無農薬・無肥料の自然栽培に挑戦したいと言ったときも「大バカ!肥料も農薬もやらずにちゃんと育つわけない。そもそもどこにそんな需要があるんだ」とバッサリ切り捨てられて。

本当にやることなすこと反対されたけど、そのたびに「絶対にやり抜いてみせる」と誓って、いろいろ考えて、工夫して、やり続けてきました。おふくろが僕を奮い立たせてくれたんです。だからおふくろには感謝しています。

増殖を認めたこともあり、就農当時60軒だったハスカップ農家は100軒を超えるまでになりました。うちの自然栽培の畑には毎年たくさんの方がハスカップ狩りに訪れてくれています。

そうした取り組みを評価していただき、2017年にコープさっぽろ農業賞で農業大賞(北海道知事賞)を受賞しました。

そのことをおふくろに伝えたら「おまえ、よくがんばったね」とはじめて褒めてくれました。このときはさすがに、僕もうるっときましたね。

次のステージは右腕が必要

―その山口さんが、今回のプロジェクトに関しては誰かに「まかせてみよう」という決断にいたったわけですね。もちろん試作をしてみて限界を感じたのは理由の一つでしょう。でも、壁にぶつかることはこれまでにも何度もあったはずです。ここにいたる心境の変化について教えてください。

山口:現在の加工場兼店舗を2年前から使わせてもらっていますが、こちらを引き受けるときにオーナーの浜口拓司さんといろいろな話をしました。浜口さんはもともと三重県で大きな事業を成功させて、60歳を機に厚真町へ移住し、和菓子製造の会社を立ち上げられた方です。会話の中でとても印象的だったのは「法人化するなら、右腕と左腕をつくりなさい」という言葉でした。

これまでと同じペースで夢を追いかけるなら自力でもいいかもしれない。でも、もう一段階スピードを加速させて、家業から事業に成長するにはナンバーツー、ナンバースリーの存在が必要になる。そう言われてハッとしたんです。

―そういう意味では今回企業研修型地域おこし協力隊制度を活用して人材を募集するのも、ただ単にスイーツ製造の技術者に来てほしいのではなく、山口さんのパートナーとして、商品を生み出し、一緒に夢に向かって走ってくれる人を迎え入れたい、ということですね。

山口:はい。そもそも僕が作付面積日本一を目指したのはまちおこしのためです。厚真町を知ってもらうためには「日本一」が必要で、それをかなえられる素材がハスカップでした。

日本一になったいまは次のステージに来ています。厚真町のハスカップを使ってこれまでになかったスイーツをつくること。その魅力を全国の人へお届けすること。それがひいては厚真町のハスカップ栽培を元気づけ、持続可能な地域づくりにつながると信じています。

ご自身の夢をかなえるチャンス!

―山口さんが考えるハスカップの魅力を、改めて教えてください。

山口:僕はハスカップと15年以上つきあってきて、本当に魅力的な食べ物だと日々実感しています。体に良いことはもちろん、北海道ならではの素材というのも希少価値があっていい。その中で厚真町は作付面積が日本一です。

それだけじゃない、「おいしさも日本一」と胸を張っていえる自信があります。そうですよね。だって日本一の群生地だった勇払原野のすぐ近くで、自生地に近い気候の中で育てているわけですから。

ハスカップを使ったスイーツを製造する道内のメーカーさんもありますが、まだまだハスカップスイーツには開拓の余地があります。

もし、自分の技術や経験を生かしてゼロから商品開発をしたい、自分がつくったスイーツで全国の人を笑顔にしたいと考えていらっしゃる方であれば、ご自身の夢をかなえる大きなチャンスになると僕は思っています。

うちは開発環境もある程度整っているし、これまでに培ってきた販売チャネルもあります。店舗や移動販売車があるので、開発したらすぐに町民の皆さんにテスト販売することもできます。

おかげさまで現在も多くの物産展に声をかけていただいています。東京、大阪、九州…全国各地の物産展でハスカップのスイーツを売り出すことで、ハスカップファンの輪をもっと広げることができるでしょう。

ご本人が望めば、ハスカップの栽培や収穫に参加してもらうのもいいでしょう。ハスカップだけではありません。町内ではカボチャやじゃがいも、お米など、スイーツに使えそうないろいろな素材を生産しています。収穫作業を手伝って生産者の思いにふれたり、身をもって生産の苦労を体験することは、食のつくり手としてきっと大きなプラスになると思います。

先ほど会社の右腕、左腕という話をしましたが、決して縛りつけるつもりはありません。うちに長く居てくれたらもちろんうれしいけれど、ここでの経験を糧にご自身の夢に向けて次のステップを踏み出してくれてもいい。

厚真町の仲間たちと接する中でこれまでは思いつきもしなかったような目標が生まれるかもしれないし、新しい可能性が芽生えて羽ばたいていくことだってあるかもしれない。それを僕は応援したいと思っています。

とにかく楽しく、ワクワクしながら、ここでスイーツをつくってほしいですね。おいしいものをつくるには、やっぱりつくる人自身が楽しまないと。

これまでに培ったスイーツの製造技術を生かしたい、地域で働いてみたい、あなたのご応募をお待ちしています。一緒にワクワクしましょう!

―会うたびにいつも新しい目標や夢を語ってくれる山口さん。今回のチャレンジもきっと、来てくださる方にとってワクワクや成長を実感する機会となるはず。この記事をきっかけに、いい出会いが生まれることを願っています。

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