本気で取り組む放課後プロジェクト 平成29年度の活動レポート
2018年10月23日
※本記事は平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の前にまとめられたものです。地震後の取り組みについては、改めてご報告する予定です。
「本気で取り組む放課後プロジェクト」は、平成29年度(平成30年1~3月)において寄附者の皆さまより合計943,000円の寄附金をお寄せいただきました。たくさんのご支援をいただきありがとうございます! この寄附金を今後どのように活用させていただくのかと今後の展望についてプロジェクトリーダーの宮下さんにお話を伺いました。
「厚真町ならでは」に徹底的にこだわった体験活動を提供している放課後子ども教室。
通常教室は週1回ですが、その他にも年10回ほど特別教室が開催されています。米どころの厚真町らしく田植えや稲刈りをしたり、夏はサーフスポットとして有名な浜で、冬は豊かな森の中で遊んだり。まさに地元だからこそできる自然体験が目白押しです。
「ふるさとに誇りを持てる子どもたちを育てたいんです。そのためには学校教育だけではなく、自然や文化、そこに暮らす方々と子どもたちとが直接関わる機会をたくさん提供していくことが大切だと思っています。地域ならではの体験をするときには地元の方々の協力が必要不可欠です。だからこそ、必ずその方たちと子どもたちとがふれあえる機会を作るようにしています」。
宮下さんは、この教室において遊びの質を高めることこそが重要だと考えています。
なぜ「学び」ではなく「遊び」なのでしょう。
「学力テストと違って、本気の遊び、質の高い豊かな遊びは数値では測れない“生きる力”を育むんです。今の子たちには、鐘が鳴るまで泥だらけになって夢中で遊ぶという経験がなかなかありません。“豊かな遊び”が圧倒的に足りないんです。室内遊びばかりでは必要な能力を獲得できません」。
のびのびとした環境の中で子どもたち自身が遊びを作ること、そして大人はそれにあまり介入せずそっと見守ること。この両立があってこそ豊かな遊びに繋がる、と宮下さんは語ります。
そして数年後には、理想的な環境が整ったプレーパーク「冒険の森」も誕生する予定です。
「子どもたちの生きる力やふるさとへの誇りを育む環境を整えるにはもっと準備が必要です。満点が10だとしたら今は2の段階ですから、まだまだステップがあります。“物理的な環境”というハード面だけではだめ。“適切に関わることができる大人”というソフト面もきちんと作らなければいけません。だからこそプレーパークが必要なんです。ここでなら“大人の安心”と“子どものチャレンジ”を両立させることができます」。
プレーパーク「冒険の森」の整備はまだですが、先生たちに向けた研修などソフト面の準備は既に始まっているのだそうです。ここは自分たちの手で育てる遊び場。大人と子どもが一緒になり地域ぐるみで作り上げていくことで、このプレーパークはどう進化していくのでしょう。それを想像するだけでワクワクします。
皆さまからいただいた寄付金は、この放課後子ども教室の活動費全般として大切に使わせていただきます。
未来を担う子どもたちのため、引き続き応援をよろしくお願いします!
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文=村上 紗希(厚真町在住ライター)