【イベントレポート】厚真町ローカルベンチャースクール 2023一次選考会
2024年2月7日
2023年12月8~10日、厚真町ローカルベンチャースクール(以下「LVS」) 2023一次選考会が開催されました。今年の選考会には起業型、協働型地域おこし協力隊を希望する14人がエントリーし、出身地も経歴も年齢も様々な参加者たちが「自分のやりたいことを実現したい!」という同じ情熱をもって各々の事業プランを発表しました。参加者たちが厚真町で描く夢の始まりと、厚真町がその夢を応援する姿勢をお伝えします。
※LVSとは?⇒https://atsuma-note.jp/local-venture-school2022/
【厚真町LVS 2023一次選考会の主要スケジュール】
<DAY1> |
・オープニング ・厚真町LVSについて ・一次選考プレゼンテーション① ・個別メンタリング① ・夕食+初日の感想シェア |
<DAY2> |
・【講義】事業とは何か ・個別メンタリング② (昼食) ・メンター紹介② ・個別メンタリング③ ・【講義】プレゼンテーションについて ・個別メンタリング④ ・懇親会(参加は自由) |
<DAY3> |
・一次選考プレゼンテーション② (昼食) ・審査結果発表 |
<DAY1>初日から問われる「なぜ、ここに来たのか」
厚真町役場から「厚真町LVSとはどんな場か」説明があり、審査をするメンター側からの挨拶が済むと、さっそく参加者の事業プレゼンが始まります。初日の事業プレゼンの持ち時間は7分。「自分は何をやりたいのか、どういう事業を行いたいのか」をこの時間内に伝えます。今年の参加者の事業プランは旅行業、宿泊業、製作業、林業、サービス業等と多岐に渡り、参加者によっては複数の事業を組み合わせたプランとなっていました。
エントリーする時点で、事業プランがどの程度出来上がっていなければいけないかの基準はなく、プレゼン資料の様式も決まったものはありません。大まかにやりたいと思っていることはあっても具体的にどうしたいのかが見えないプレゼンもあれば、具体的な事業内容、顧客の想定やスケジュール、3年間の事業計画が盛り込まれたプレゼンもありました。事業プランが具体的であってもなくても、メンターからは時に厳しい質問やコメントが投げかけられます。
– あなたが一番伝えたかったことはなにか?
– なぜ厚真町でなければいけないのか?
– 地域おこし協力隊の制度を使わなくてもいいのではないか?
メンターから質問されるということは、自分では伝えたつもりでも伝わっていない。もしくは、伝えるものがまだ固まっていない、見えていないということです。初日のプレゼンで見えた課題は、その後のメンタリングでも問われ続けます。
厚真町LVS一次選考会の大半の時間はメンターによるメンタリングです。今回はメンタリング用のテーブルが11卓あり、2日間にわたって各テーブルで20分のべ17回のメンタリングを行いました。1日目は5回のメンタリングののち、夕食をとって終了となりましたが、すでに「頭の中がぐちゃぐちゃになってきた…」という参加者もいました。
メンタリングで参加者のやりたいことに耳を傾ける厚真町役場職員。「それは地域おこし協力隊の制度がなくても、厚真町でやりたいと思えることですか?」と質問を投げかけていた。
<DAY2>ひたすらメンタリングと講義で事業プランをブラッシュアップ
2日目はメンタリングのほか、「事業とは何か?」「プレゼンテーションについて」の2つの講義が用意され、明日のプレゼンに向けてどのように事業プランやプレゼン資料をブラッシュアップしていくか体系的なインプットがあります。ローカルで起業することの価値、やりたいことを言語化することの必要性、事業を続けていくことや周りに応援してもらうために何が大切なのか、ブラッシュアップに必要なエッセンスを学びます。
メンタリングの後半戦になると「自分のやりたいことが少しずつ整理できてきた」「初日のプレゼンで伝えきれてないことがたくさんあった」「まだ伝えたいことはまとまっていないけれど、明日のプレゼンではこういう方向性で行こうと思う」と参加者から徐々に迷いの表情がなくなっていきました。
<DAY3>悩みぬいた先の一次選考プレゼン、審査結果発表
3日目はブラッシュアップされた事業プランを発表します。3日目のプレゼンの持ち時間は6分。参加人数に合わせて、朝7時30分からスタートしました。
すべてのプレゼンが終わると、メンターが一室に集まって審査会が始まります。審査はおよそ2時間にもおよび、参加者は緊張しながら審査結果を待ちます。審査結果は一人一人が一室に呼ばれ、一次選考結果とフィードバックが伝えられます。この時点で誰一人としてなんの問題もなく即採択ということはありません。一次選考会を通過した人には事業プランをさらに実現可能なものに磨き上げるための課題が言い渡されます。ある人は試作品を作って、ある人は具体的な実施計画を詰めて、最終選考会に臨むことになります。
一次選考会で残念ながら不採択になった参加者もいますが、審査は事業プランの良い・悪いだけではなく、メンタリングやプレゼンを通して「最終選考に進むことが、その人にとって本当の幸せかどうか」をメンターが問われる場となりました。不採択だった参加者も通過した参加者と同じように「次にやるべきことが分かった」と前向きな言葉を残していたのが、LVSでよりその人のやりたいことが明確になった結果だと思います。
年明けの1月20日の最終選考会まで約一か月。夢は今、始まったばかりです。