起業型地域おこし協力隊
坂野昇平さん(令和3年4月 着任)
2021年9月1日
――厚真町では今何をしていますか?
林業に関わる仕事をしています。間伐作業、苗木の植え付け、下草刈りなど。炭作りの手伝いや薪作り、CNCルーターを用いた木工製作もしています。いろんな人が遊びに来たくなるような森づくりがしたいなと思っています。
――昔から森に興味があったのですか?
小学校の頃にいわゆる環境問題に興味を持ちました。日本は東南アジアからラワン材を輸入している。そのラワン材のある山は全部切られてしまう。皆伐された森は保水力がなく雨に土壌が流されてしまい、その山は再生されない。そこまでして持ってこられたラワン材は、都会の建物の型取りに使われただけで捨てられてしまう。都会のしわ寄せが他の国にいっていることにすごく矛盾を感じました。
――その後もずっと森や林業を学んだのですか?
大学に進学し農学部で林学を専攻しました。日本の林業や木材利用がより経済的になれば良いと考えました。バイオマス発電、高性能の林業機械、他の国の事例なんかを調べました。どれも最初は可能性があるなと思うのですが、細部まで見ていくと本当に全体としての効率が良いのか、日本に合っているのか?など、さまざまな疑問にあたってしまいました。
――厚真町で林業に関わるというのはどういう縁ですか?
いろいろ調べる中で斜面の角度がきつい日本の林業の課題は「切った木をいかに搬出するか?」ということだと思いました。環境に負荷をかけない搬出とは?と調べているときに「馬搬」という手法を知りました。その馬搬をやっている西埜さん(地域おこし協力隊2017年着任)という方が厚真町にいるということで、実際に会ってみようと思ったのがきっかけです。西埜さんをはじめ厚真町の林業家の皆さんと一緒に仕事をして感じるのは、すごくタフだし、技術力もあるし、前向きということです。僕もがんばらなきゃいけないと刺激になっています。
――3年後への思いを聞かせてください
しっかりと林業家としてのスキルを身に着けることと、人と森をつなげる場所づくりをできるようになりたいなと思っています。