【大学生×厚真町】学生団体「あるぼら」の厚真町活動日記 -『新メンバーが厚真町に初めてきて感じたこと』

2021年3月4日

平成30年9月6日におこった北海道胆振東部地震。
北海道初の震度7が観測された北海道厚真町では、被災直後から多くの方に支えていただきました。
そのひとつとして震災後の厚真町に継続して関り続けてくれたのが、札幌の大学生が中心となって活動する学生団体あるぼらです。
東日本大震災をきっかけとして生まれたあるぼらでは、多くの学生を募ってアルバイトを行い、その賃金を災害被災地への寄付や物品購入に充てて役立てるというプロジェクトを行っています。
北海道胆振東部地震支援としても活動を行ってくれたあるぼら。寄附だけではなく、町の様々な場所に出向いて被災地に関わることで、たくさんの町民との触れあいが生まれました。
その活動を通じて、大学生は厚真町で何を感じたのでしょうか。
実際に活動を行った学生が、自分の言葉で記録を残してくれました。
今回の活動日記を書いてくれたのは、大学1年生の花野さん。
初めて訪れた厚真町で、これまであるぼらメンバーが活動してきた場所を巡りました。

『新メンバーが厚真町に初めてきて感じたこと』


<執筆者>

●花野裕紀 (大学1年)


学生団体あるぼらに入ってから数ヶ月後、我々新メンバーは初めて厚真町を訪ねました。各メンバーがそれぞれ異なる場所を訪問しましたが、出会った人達は皆エネルギーに満ち溢れていました。

僕が初めて厚真町に行ったのはこれまであるぼらがお世話になった方々、及び新しく繋がりを持つ事になる方に会いに行った時でした。伺ったのは厚真神社、ハスカップの観光農園も行っている山口農園、原木シイタケを栽培する堀田農園、町内コミュニティスペースイチカラの4か所です。

まず厚真神社では宮司の黒澤さんと胆振東部地震で倒壊してしまった鳥居の修復工事に携わっている前田さんにお話しを伺いました。黒澤さんからは地震当時の様子や厚真町の歴史、神道について、前田さんからは工事の詳しい方法、問題点についてお話していただきましたが、それだけではなく神社の貴重な杓を触らせていただいたり、拝殿の内部を見学させてくださいました。黒澤さんの気前の良さ、仕事に対する真剣な姿勢を感じられました。

次に伺ったのはハスカップ農園の ハスカップ農園みのりです。そこで農園の堀田さんを待っていると、なんと農家の方からハスカップをごちそうしてもらう事に。

ハスカップが入った飲料水は飲んだ事がありましたが、果実自体は目にするのも口にするのも初めての体験でした。色はブルーベリーに似た薄い藍色で大きさはブルーベリーより少し小ぶりで味はすっきりした甘さでした。

厚真町のハスカップはその大きさも特徴のひとつ

ハスカップは一つの実が熟れ始めると、その木の残りの実も一気に熟すので収穫の時期が限られています。訪れた時期はちょうど収穫の時期で農家さんは手作業で一つ一つ収穫していました。農家さんがまた気前の良い方で、ハスカップを手にどんどん載せてきて、気づくと十粒以上食べていました。

実はこの後、次にお手伝いに向かう堀田さんと行き違いになっている事が判明して、あわててハスカップ農園を後にしました。

堀田農園 では堀田さんからあるぼらとのこれまでの関わり、地震当時の様子、農園の現状などについてお話を伺いました。

堀田農園でも地震の際は地盤沈下が発生するなど大きな被害に遭いながらも復旧していたそうですが、今年のコロナウイルスで毎年行っているハスカップ摘み取り体験ができる観光農園が中止となり再び困難に直面していました。

また堀田さんは原木シイタケも栽培しています。衰退しつつある原木シイタケを人々に知ってもらいたい、その美味しさを伝えたいという思いで困難に向き合っている事が感じられました。味を知ってもらい、美味しさを広めてほしいと原木シイタケをいただきましたが、その味はいままで食べたシイタケとは厚さ、味どちらも比べ物にならない美味しさで、シイタケはあまり得意ではない自分でさえ美味しいと感じました。

堀田農園の原木シイタケ。形もカワイイ。

最後に伺ったのはイチカラというコミュニティスペースです。地震後に誰もが気兼ねなく集まる事ができる場所を作りたいという思いから作られたというイチカラはドリンクがおいてあり木製の椅子や机など、落ち着いた雰囲気でした。あるぼらとの関わりや設立のきっかけなどのお話を伺い、厚真町の視察は終了しました。

今回の視察で特に印象に残った言葉があります。それは堀田さんが言った「厚真町を地震が起きた町としてではなく、魅力があふれた町として認知してもらいたい」という言葉です。

視察を通じて見て、時には食べて感じた厚真町の魅力は確かに素晴らしい物で、あるぼらの新メンバーとしてこれから厚真町の皆さんの力になりたいと感じました。



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