協働型地域おこし協力隊
今廣佐和子さん(令和5年4月着任)
2023年6月9日
―これまでの経歴を教えてください。
東北大学大学院を卒業後、林野庁で7年間勤務してさまざまな部署で経験を積みました。中でも北海道内の3カ所で国有林の管理・計画業務を担当したこと、福島県喜多方市に林務職員として出向したことは、今の私の原点です。この経験がきっかけで北海道を拠点に地方行政で働きたいと思うようになりました。北海道庁へ転職して林業木材課で4年間、HOKKAIDO WOODブランドの立ち上げや周知活動などを担当しました。
―森林や木に興味、関心があったのですか?
高校生までは全く興味がありませんでした。遺伝子などに興味があったので、大学では生物学を専攻しました。大学の教授や環境省の方とともにフィールド調査に参加して、森林や木に興味を持ち始めました。研究室での実験よりも、地域の人と一緒にチームを作って行うフィールドでの実習がとても楽しかったのです。
―厚真町ではどのようなことをしていますか?
町内の株式会社sonraku(ソンラク)で木質バイオマスCHP(分散型の熱電併給システム)を運用しています。CHPとは、発電と熱供給を同時に行うシステムのことで、地域の未利用木材などを活用して小規模な発電を行う機械です。発電の際、熱とバイオ炭と呼ばれる炭が排出されるので、熱は薪などの木材乾燥に、バイオ炭は土壌改良剤や融雪剤として活用できないか検討しています。
―どのような会社ですか?
「火をおこし地域の熱をあげる」というビジョンの下、小型CHPやボイラーによる分散型の木質バイオマス利用の北海道内展開を目指しています。厚真町での事業はその第一歩です。地域であまり利用されていない木材の価値を上げ、地域の資源や経済のサステナブルな循環に貢献したいと考えています。
―3年後はどうなっていたらいいですか?
まずはCHPが安定的に稼働するように取り組みます。発電の際に発生する熱やバイオ炭も、厚真町に還元できる形で活用したいです。これまで自分が携わってきた林業・木材産業の分野も生かしながら、町内の多様なプレイヤーと連携して、面白いことができたらと考えています。