【協働型人材募集!】エネルギー事業から流通・小売業まで。すべては地域の持続可能性を高めるために。ローカルに最適化されたコンビニ事業を模索する挑戦者を募集。
2023年11月6日

北海道厚真町で木質バイオマス発電事業を営む株式会社sonrakuは、この度上厚真地区での「”地域特化型”のコンビニ事業」へ乗り出します。地域特化型のコンビニにするためにやるべきこと、目指す未来とは?そして、なぜエネルギー事業と流通・小売業、全く異なる業態の事業に挑戦するのか?そこにある共通点について代表取締役の井筒耕平さんに、求める人材像と合わせお話を伺いました。
「コンビニ」×「余白」の中に地域性を出したい
――今回始める事業について教えてください。
井筒: 厚真町の上厚真エリアに「コンビニ」を出店します。このエリアには苫小牧方面に勤める人たちを中心とした一定の人口があるのですが、そこにあったスーパーが閉店してしまいました。やはり地域のインフラとしてあの地区に必要なものが揃う小売店は必要だろうということで、厚真町から店舗活用に関する公募がありました。そこに手を挙げる形でコンビニ事業を提案させていただいたところ採択いただきました。
――閉店するには閉店する理由があると思います。
井筒:もちろん経済合理性的に利益が出なければ続けられないのですが、大手コンビニとも提携することができますし、やりようはあるんじゃないかなと思っています。都会と田舎では環境が異なります。地域には地域の人の動きやニーズがあり、それに合わせた地域特化型の事業を展開したいという意図はコンビニ各社が持っています。それを実現するための取り組みを一緒にやりましょうということで、コンビニのフランチャイズでありながらも、現地で事業展開する側にそれなりの自由度がいただけそうなんです。
――もう少し詳しく教えていただけますか?
井筒:都会におけるコンビニのビジネスモデルは徹底した商品管理を元に、いかに効率よく商品を店頭に並べて効率良く売っていくかが重要なので、店舗ごとに独自性を出そうとするとオペレーションが複雑になりますし、どこも同じ顔つきになるのは仕方ありません。でも、上厚真の店舗の場合は「上厚真でしかできない」面白いコンビニにしていきたいと考えています。たとえば内装に厚真町産の木材を使ってみたり、野菜をはじめとする地域の食材を提供したり、イベントの開催などを実施する余白があるので、コンビニでありながらもコンビニという枠に囚われない、しっかり地域性を出せる店にできたらなと思っています。

――コンビニ事業が積み上げてきた土台の上に地域色を出せるんですね
井筒:厳密にはこれから詰めていく形なので絶対ここまでできるとは言えないのですが、とっても余白が多い状況にあります。逆に言うと余白に何をどう埋めていくか?を「考えていくこと」が必要になります。上厚真地域には昔から住んでいるお年寄りもいれば、新しく住み始めたファミリー層も多くいます。そこに、地域をもっと良くしたいとコミュニティを作ったりイベントを開いたりしている人もいれば、ローカルベンチャーで農林漁業やアクティビティなど様々な分野で新しい事業にチャレンジしている人もいる。個性豊かなヒト・コト・モノが揃っている地域です。決まった形の決まったオペレーションを回していくのではなく、自分達で考えて、地域の人たちと一緒に試行錯誤していく。その先に上厚真ならではのコンビニ像を構築していく、そんな事業です。

エネルギー事業とコンビニ事業の共通点は?
――厚真町と縁ができたきっかけを教えてください
井筒:エーゼロさん(現 株式会社エーゼログループ )が北海道大学でイベントを実施した際にゲストとして呼ばれて、エネルギー関係のことをお話させていただきました。厚真町のエネルギー政策をどうするか?ということも議論させていただき面白そうな町だなと思っていました。その後、北海道胆振東部地震があり、厚真町が防災も含めたエネルギー事業を本格的に実施することになり、木質バイオマス発電施設ができ、チッパー(木質チップを製造する機械)も設置されることを知りました。地域にチッパーがあれば、弊社もエネルギー事業を展開できる余地があるなと考えたところ、休眠預金を活用した資金が手当てできたので厚真町での事業を始めました。
――井筒さんはなぜ木質バイオマスに興味を持ったのですか?
井筒:「地域の持続可能性って何?」という問いを持ちました。その視点においてエネルギーは重要な要素です。日本はどこにいっても森がある。であれば、この森林資源からエネルギーを取り出す木質バイオマス発電はひとつの答えになりうるなと思いました。もちろんバイオマスだけですべてのエネルギー問題が解決するわけではないのですが、何かそういう複雑な問いが面白いなと思いました。
――コンビニ事業とはずいぶん距離があるように感じます。
井筒:そうですよね。でも、私の中では「地域の持続可能性を高めるために必要な事業」という点で共通点があります。地域にはエネルギーも大事だけど、流通や小売店も大事。人口が減っていけば地域の購買力が落ちますし、店舗を維持することが難しくなるのは当然です。でも、それを解決してこその持続可能性。いかに省力化していくか?など、そういうことを考え挑戦したいと思います。地域で事業をするようになってそれなりの年月が経ちますが、ひとつの事業で大きく稼ぐのは難しいと思います。地域の中で複数の事業を展開することで、ヒト・モノ・カネといった経営資源が効率的に活用でき、利益を出せると考えています。

地域の可能性を信じて挑戦する「なんでもやってみたい人」募集
――求める人材像を教えてください。
井筒:いろんなことを展開できる余地があると思っているのですが、まだまだ不確定な部分が多いです。ですが、その不確定な部分こそが余白であり、可能性がある部分です。その中にいろんな思いを詰め込んでくれる人。好奇心をもって挑戦する。何かあるたびに「どうしたらいいですか?」と聞かれても「こっちもまだわからないよ」となります。一緒に試行錯誤していく。すぐに答えが出なくても粘り強くやって欲しいです。
アウトプットの手段がコンビニであるというだけで、必要な視点は「まちづくり」です。繰り返しになりますが、上厚真には面白いヒト・コト・モノが揃っている地域です。これらを活かしながら、この地域にはどんな課題やニーズがあって、コンビニという「場所」を通して、上厚真をどんな地域にしていきたいか、どうやって盛り上げていこうか、地域のひとたちと一緒になって考え、実行できる人。そんな人が来てくれたらうれしいです。
――地域ならではのコンビニのあり方を一緒に考える。
井筒:そうですね。コンビニ業界が積み上げてきた緻密なノウハウにも興味をもってもらいたいです。あらゆることが数字で出てきますから、それを見ながらロジカルにも考えていく。一方で地域の特色を出すためには地域との関係づくりも大事です。きっと幅広い経験ができると思います。本気で挑戦すれば人生の中でも本当に濃い時間になるんじゃないかと思います。ぜひ一緒に考えていきたいなと思います。

今回の募集では厚真町の「協働型地域おこし協力隊制度」を活用予定です。本募集に応募していただいた方は「ローカルベンチャースクール(以下、LVS)」に参加していただきます。本記事にあるように「不確定な部分」が多いですが、そこにこそ魅力があります。だからこそ、その不確定な部分を乗り越えていけるだけの想いを事前に育てておく必要があります。LVSを通じてこのコンビニ事業を自分事にしていく。メンターからの問いかけに答えながら自分と向き合う。もちろんひとりではなく「協働者」として井筒さんとも一緒に考えていくことになります。地域に入って実際に事業に関わる前にお互いを知る機会にもなります。厚真町で「なんでもやってみる店長」候補をお待ちしています。
「なんでもやってみる店長」になりたい人は下記より基本的な情報を入力の上ご応募ください。
https://forms.gle/DveerpxfKBVRoQp78
「申込内容」の項目で
「協働型地域おこし協力隊として入りたい(応募者向け)」にチェックしてください。
エントリーにあたってはご自身のプロフィール等を記載する「エントリーシート」と事業に関する「企画書」が必要となります。事業に関しては事業主とコミュニケーションをとり、自らの責任で作成してください(もちろん一緒に作ったりアドバイスを受けても構いません)。事業主との連絡方法は事務局がご案内いたします。